ハリー・キャラハン

2012.05.20

ブログ『桂』から写真家 「石元泰博さん」 関連のブログが多くなっていますね!!!!。

石元さんの写真が好きで、石元さんが影響を受けた写真家がすごく気になっています。

今回は・・・HARRY CALLAHAN(ハリー・キャラハン)・・・・です。

ブログ『桂』で紹介したように、石元さんがニューバウハウスの写真学科に入学した時にいた

教授の一人です。

キャラハンの写真集を見ると、石元さんが一番影響を受けてる様に感じます。

モノクロ写真の雰囲気や多重露光の撮影方法まで共通点が多く見られます。

また黒色(影)の扱いがすごく印象的です。

キャラハンの代表的な写真集には3作品あります。

■ The Photographer at Work
■ Elemental Landscapes
■ Photographs by Harry Callahan

 Photographs by Harry Callahan 1996年

   日常生活の中の一コマを切り取った写真が多く、キャラハン夫人をモデルにした写真も多くあ

   ります。

   一般的での知名度はあまり無い写真家ですが・・・・・。 

   品があり、さりげなくカッコイイ写真を撮る写真家です。

   今回のブログの内容とは少し違いますが・・・・。 

↓ 以前のブログ『 人間家族 The Family of Man 』の英語版と日本語版です。

   英語版は今でもアメリカでは発売されています。 

長池の家:地質調査

2012.05.18

今から住宅の計画をする敷地で地質調査をしました。

調査方法:標準貫入試験併用機械ボーリング

ほぼ予想通りの結果でした。

さて・・・・・構造はどうしようかな?

 少し前に来たときには、土のままでしたが、もう雑草が・・・・。

色とかたち

2012.05.17

石元泰博の写真集です。・・・・ブログ『桂』参照。

『桂』とは違う雰囲気です。

モノクロの写真集だけではなく、カラー写真もあります。
カラーの多重露出のシリーズはライフワークとして、半世紀にわたり毎年冬になると制作されてきました。
この作品は合成した画像ではなく、フィルムのひとつのコマに何度か露出することで、思いも
寄らない色とかたちが浮かびあがり、多分に偶然が作用する。あくまで写真にこだわりながらも、
出来上がった作品は写真の世界をこえて、モダンアートになっている。

 モダンアートですね。

バックミンスター・フラー

2012.05.14

先日、本棚を整頓していたら懐かしい冊子が出てきました。

数年前に住宅の設計をした建主さんから竣工時に頂いた物です。

その時に調べたと思うのですが、誰の冊子かは分かったのですが、それが何かが

わかりませんでした。

表紙には・・・・Buckminster Fuller・・・・・と書いてあるだけ。

再度調べてようやく分かりました。

■Buckminster Fuller 「バックミンスター・フラー」とは

アメリカ出身の思想家・デザイナー・構造家・建築家・発明家・詩人。

有名なのは、「ジオデシック・ドーム」や「トラス構造」や「ユニットバス等」の発明です。

↑・・・・バックミンスター・フラーの構築理論などを図解したアーティスト・ブックでした。

    これは、1965年にオランダの印刷会社デ・ヨング社が実験的に刊行した「クワドラ・プリント」

    の1冊。他には、ブルーノ・ムナーリやウィレム・サンドベルフ等 36人のアーティスト・ブック

    が発行されました。

    当時としては珍しい25cm×25cmというサイズで、それ以外は自由で印刷的・造形的実験

         を試みたプリンテッド・オブジェ『Kwadraat Bladen」です。 

遅くなりましたが、大変貴重な物をありがとうございました。

 

音聞山の家:捨コンクリート

2012.05.11

今日、宅地造成工事2回目の検査がありました。特に問題も無く終わりました。

現場は今、基礎の捨コンクリート打設が終わり、次に擁壁のコンクリート型枠工事になります。

JBL

2012.05.10

これからプレゼンをする建主さんとの打ち合わせがありました。

プレゼン前 3回目の打ち合わせということで、建主さんの自宅に伺いました所、

珍しく懐かしい物が置いてありました。

JBL C56 DORIAN・・・通称Lancer101 です。

1965年に発売されたアメリカのスピーカーです。

前面グリルに細木の桟で幾何学的な紋様を作り出す日本の伝統工芸である『組子』が使われて

いる珍しいスピーカーです。またトッププレートには大理石が使われています。

音が出ていなくても存在感があり、上品な風格を感じます。

もちろん、新築時には移動します。

他にはこれが・・・・・↓

さて、どうするかな?

人間家族ー『 The Family of Man 』

2012.05.09

ブログ『桂』に出てきた  エドワード・スタイケン  の紹介です。

まずは、簡単なプロフィールから。

1879年・・・ルクセンブルグ生まれ
1923年・・・ヴォーグ誌などを発行しているコンデ・ナスト社のチーフフォトグラファーになる。
1947年・・・ニューヨーク近代美術館の写真部長に就任。
1955年・・・『The Family of Man』展を企画。

『The Family of Man』

この展覧会は、結婚・誕生・遊び・家族・死・戦争という人類の普遍的に共有される営みをテーマ
として、68ヶ国・273人・503枚の写真から構成している。
第2次世界大戦を経た世界に向けて「全世界を通じて人間は本質的に単一である」という
メッセージを表明するものであった。
1956年には、日本橋高島屋へも巡回している。

出品作品はルクセンブルク公国へ寄贈され、ユネスコの「世界記録遺産」として永久展示
されています。

日本語版 ↓

あれから60年近くたった今もこの写真集は、衝撃的で、感動します。
スタイケンがこの展覧会に込めた真剣な思いが伝わってきます。

実際に写真集を見ていると、何だか言葉を失い、締め付けられる思いがします。
一枚一枚の密度が濃く、なんだか落ち着かなくなります。

「きみたちの足どりの下から新しい世界が生まれる・・・・・・」の文章が添えられた最後
のページの写真は本当に息が詰まる思いがしました。

時之島の家:下地工事

2012.05.08

昨日、現場打ち合わせがありました。

いつもの事ですが、監督さんと大谷さん(家具屋さん)の熱の入った打ち合わせ風景。

ようやく、足場のシートの中に建物が少しずつ見えてきました

天使の輪?  ↓

ブルーノ・タウト

2012.05.07

桂離宮と日光東照宮

泣きたくなるほど美しい」・・・これは、あまりに有名なブルーノ・タウトの桂離宮を見ての第一印象です。 
タウトは桂離宮を讃美し、細部に至るまでその美しさをたたえていました。

タウトの言葉』
「古書院の間から眺める御庭の素晴らしい景観。それだのに新書院の前の御庭には、もうこのような造園術は見られない。藝術的鑑賞のこのうえもない優美な分化だ、すべてのものは絶えず変化しながらしかも落ち着きを失わず、また控え目である。眼を悅ばす美しさ、・・眼は精神的なものへの変圧器だ。日本は眼に美しい國である。」

というように、最高の賛辞となっている。

タウトは2回、桂離宮を訪問しており、それをまとめたものに「永遠たるもの」と「画帖桂離宮」がある。特に前者は桂離宮の訪問記として、彼の著書「日本の家屋と生活」の終章を飾るものであった。
2回目の訪問時も、同様に「涙はおのずから眼に溢れる」と表現している。

桂離宮を2回目に訪れた2週間後に、今後は日光を訪れている。
帝国ホテルの建築家であるフランクロイドライトも宿泊したことで知られる金谷ホテルに出向き、次の日に日光東照宮へ立ち寄っている。
そこで、タウトは日光東照宮を痛烈に非難する。
「すべてが威圧的で少しも親しみがない」とか「華麗だが退屈だ」とか「珍奇な骨董品の感じ」と罵声を浴びせた。ついには「建築の堕落だ・・・・しかもその極致である」と結論づけてしまった。

書籍などでこの2つの建物はほとんど同年代に造営されたのが分かっている。また、同じ人々が関係して作り出されたことも分かっている。
にも関わらず、両者は対極的とでも言うべき極端に異なる造形になっている。

もちろん二つの建築用途は違ってますが・・・桂離宮:皇族の別荘。
                           日光東照宮:徳川家康を神として祀るための宮寺。

先日、始めて日光東照宮を訪れ(ブログ:栃木県:2)、上記の事が本当に不思議でした。

どちらが好きかは人それぞれですが・・・・・・・・・・・・・・・・・。

※ ↑ 金谷ホテルの照明(本文と関係ないけど・・・・。)

『 桂 』

2012.05.05

』 と言えば・・・・・桂離宮の事。

今回は桂離宮の話ではなく、写真集についてです。

今年2012年2月6日に90才でこの世を去った写真家への追悼の意味で、写真集を購入しました。

その写真家とは・・・・・・・・・・石元泰博

1921年サンフランシスコで生まれ、幼い頃に一時日本に帰国し、1939年に再び単身で渡米。
第2次世界大戦中にコロラドの日系人収容所に入る。
戦後はシカゴのニューバウハウス(現イリノイ工科大学)写真学科に入学し、ハリー・キャラハンやアーロン・シスキンの下で写真を学んだ。この頃にモホリ・ナギ賞を2度受賞している。
 1953年に日本に戻り、浜口隆一・丹下健三・前川国男・坂倉準三・堀内捨巳・吉村順三 等と交流を持つ。
石元はエドワード・スタイケンとも交流があり、MOMAで開催された伝説の展覧会「The Family of Man」の日本側の出品作品を収集する仕事もしている。
その後に代表作のひとつとなる桂離宮の撮影を開始する。
1957年に第1回日本写真批評家協会作家賞
1969年には、有名な写真集「シカゴ・シカゴ」で毎日芸術賞を受賞。
1996年には文化功労者顕彰に選出。他数々多くの賞を受賞している。

※ちなみに「The Family of Man」は2003年にユネスコの世界記録遺産に登録されています。

『著書解題』・・・・・・内藤廣との「対談」の中で、石元は面白いことを言っている。

石元・・・「桂を始めて見たとき・・・・やっぱり庭なんだよね。何よりも一体感があった。庭に立つと、黒みを帯びた柱・鴨居・廊下の手すりが分割する建物の構成とか、緑の芝生とビロードのような苔の上を雁行する踏み石、そうしたものに独特のリズムを感じて心地よかった。書院の白壁と、わずかに陰影を持つ白い障子がまず目に飛び込んできて、その時、なぜかミース・フャン・デル・ローエの建物を思い起こしたんだ。学生時代に写真技術の演習でミースの建物を練習台にしたことがあるから、それでかな。ミースのピロティと古書院の縁側が一緒になっちゃった。」

内藤・・・・見てすぐに「レイクシュアドライブ」を思い出したのですか?

石元・・・・そう、桂に関しては、古い建築と言うよりも、最初からミースみたいな”モダンな形”をその中に見ていたんだろうね。・・・・・・・・・・。

石元さんの『桂』は先入観もしがらみも無く、とても純粋であり、写真集は、世界・日本を圧巻した。

  ■  「KATSURA」日本建築における伝統と創造        テキスト:ワルターグロピウス
                                       レイアウト:ハーバート・バイヤー

  ■  「」日本建築における伝統と創造             テキスト:丹下健三
                                       レイアウト:亀倉雄策

  ■  「桂離宮」 空間と形                     テキスト:磯崎新
                                       レイアウト:太田徹也

上記3種類の桂離宮を撮影した写真集はあまりにも有名で、それぞれ”グリピウス版””丹下版””磯崎版”として世に出ている。
上記の写真集は入手が難しく,何より高額という事もあり、購入はあきらめました。
今回、私が購入した写真集は・・・・『桂離宮』    テキスト:内藤廣
                               解説:横山正
                               装丁・デザイン:太田徹也

これは「伝統と創造」撮影時の写真に、「空間と形」撮影時のモノクロ写真も加えて再編集したものです。
何といっても、モノクロの『桂』はいい。特にこの写真集の黒の深さには感動です。

石元泰博の
桂以外の作品・・・・・・・・・・ シカゴ・シカゴ  (石元の出世作です。)
                 両界曼荼羅ー東寺蔵 国宝「伝真言院両界曼荼羅」の世界
                 HANA
                 シブヤ・シブヤ
                 色とかたち
                 湖国の十一面観音
                 刻(とき)Moment
 
                                          
ちなみに愛用カメラはもちろん「ライカ」です。

↑・・・・・ニューバウハウスの校長を務めた芸術家『モホイ=ナジ・ラースロー』の本です。
    石元泰博が大きな影響を受けました。